目次
あらすじ
少年・オーガスト(オギー)は生まれつき「顔」に障害がある。
10歳になったとき、彼は学校に通い始める。
周囲からいじめや差別を受けながらも、真の友情を育み、家族の愛に支えられ、オギーは成長してゆく。
【読書感想文】原稿用紙3枚(1200字,60行)
『ワンダー』の主人公・オーガスト(オギー)は生まれたときから顔面に障害があります。見た目が「ふつう」とはかけ離れていて、そのせいで彼はひどい扱いを受けます。
私たちが何かに最初に触れるとき、いちばん重視するのは「見た目」だと私は思います。それがきれいだったらよい印象を持ちますし、それがちょっと変わった感じだったら(どうなんだろう?)と変な印象を持ちます。
その点において、オギーは「ふつう」の人に比べてハンディキャップを背負っています。血を分けたお姉さんにさえ、「弟はどこか違うんだ」という気持ちを持たれています。
家族にさえそのように思われてしまうということは、オギーがこの先生きていくうえで、顔に関してよくないイメージを他人に抱かれてしまうことは、どうがんばっても避けられないことだと私は思います。
作中でミランダは次のようなセリフを残しています。
<「この世界はオギーに優しくなかったの」>
また、マンガ『進撃の巨人』第78話「降臨」では以下のような文章が出てきます。
<そうだ… 誰も悪くない… 全部仕方なかった だって世界は こんなにも―― 残酷じゃないか>
見た目が少し変わっている人を「変わっている」と思ってしまうのは、この「残酷な世界」において「仕方のないこと」であり、当然のことだと私は思います。
大事なのは、その「仕方のないこと」に対して自分はどのように行動するかだと思います。
ヘンリー先生は以下のように語ります。
<「正しいことをするか、親切なことをするか、どちらかを選ぶときには、親切を選べ」>
「正しいこと」を行うのは、あまり難しくありません。周りの様子をうかがって、いちばん「それらしい」ことをすればいいんですから。「正しさ」は多数決で決まります。
でも、「親切なこと」をするのは、けっこう骨が折れます。親切であるためには相手の気持ちを想像しなければならず、なにが親切かは人それぞれによって違うからです。
「ふつう」と異なることに直面したとき「ワンダー(不思議に思う)」だけでは終わらずに、それに対して親切に向き合うことにはかなりエネルギーを伴います。
でもがんばって親切にあろうとすることで、この「残酷な世界」が少しでも良い方向に変わっていくのではないかと私は思っています。
(59行,原稿用紙2枚と19行)
おわりに
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