目次
あらすじ
夏休み。
三人の少年は、もうすぐ死ぬという独り暮らしの老人を観察することにした。
観察しているうちに交流が始まり、なんだか老人は元気になっていくようで……。
「死」を通した少年たちの成長譚。
【読書感想文】原稿用紙3枚(1200字,60行)
『夏の庭』はサブタイトルが”The Friends”です。これは一見すると少年三人のことを表しているように思えますが、きっと死んでしまったおじいさんを含めた「お友だち」なのだと私は思いました。
少年たちははじめ、おじいさんを「観察」しようと近づきます。おじいさんは独り暮らしをしているので観察しやすい「題材」でした。夏休みの「観察日記」感覚の軽い気持ちでした。でも物語が進み時間が経つにつれて、彼らの関係は変化していきます。
「観察」から「交流」へ。サブタイトルの意味がぼんやりと浮かび上がってきます。
少年たちは「老友」を得ました。『夏の庭 The Friends』での「老友」はまた「師友」であり「心友」であり「畏友」でもあります。彼らはおじいさんからいろいろなことを教わります。
<もしかすると、歳をとるのは楽しいことなのかもしれない。歳をとればとるほど、思い出は増えるのだから。>
「死んだらどうなるだろう?」という考えをスタート地点として、彼らは「年を重ねること」や「強い絆を感じること」、「別れること」など、さまざまな考えや経験を得ることができました。それもこれも、少年たちが観察するという「一歩離れた位置」にとどまらずに、触れ合う、友達になるという「関わっていく位置」に身を置いた成果だと私は思います。
何をするにしても、本当にその行動のもたらす果実を味わいたかったら、積極的に自分の身をそれに近づけていくことが大切だと思いました。
自分たったひとりでは、できる行動の幅は限られています。スポーツをするにしてもどこかへ行くにしても実験や観察をするにしても、何をするにも誰かがいるとできることの選択肢はぐっと増えます。
『夏の庭 The Friends』では、「友だちのかけがえのなさ」が前面に表れています。「いずれ失ってしまう」から、いっそう大事に思うことがある。
友だちは大切です。
知己に恵まれていれば、わりと何でもできるのでは。『夏の庭 The Friends』を読んで私は、そんなふうに思うようになりました。
だから、友だちができそうな機会がほんの少しでもあるときは、そのチャンスをフイにしないよう、日ごろから準備しておきたいと思いました。
まずは笑いがとれる自己紹介から……(ハードルが高いな)。
(55行,原稿用紙2枚と15行)
おわりに
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