目次
はじめに
読書の感想でもなく、呼んだ本の内容まとめでもなく、書評が書きたい。
そう思いました。
と思っていたところに、ある新聞で、ある批評家が書いた、ある書評を読みました(名前を伏せているのは抽象性を上げるためです)。
できるだけ広範で汎用性のある「書評の書き方」を得たいと思いました。
この記事は、私がその書評を呼んで考えた「書評の書き方」です。
できるだけ具体性を除いたエッセンスを述べようと努めました(例は価値観のすり合わせです)。
書き出しはびっくりさせる
読者が(おっ?)と思うような書き出しで始めるテクニックです。意外性が大事。
批評する本とはぜんぜん違う話題から入るのもよいと思います。いわゆる「マクラを振る」というやつです(修学旅行の夜ではない)。
その場合は「マクラ」が長くなりすぎないように注意しましょう。書いていて自分で(そろそろマズイな)と感じたら本題に入ります。
あらすじで固有名を出すときは注意する
たとえばあらすじとして「ココノツがほたるさんとサクマ式ドロップスを開けようと奮闘します」なんて書いてあったら私はその書評にわずかな抵抗感を感じます(読むけど)。
書評は大きく分けて「まだ読んでいない人」と「もう読んだ人」を対象に書かれるものです。
固有名を出すということは「まだ読んでいない人」に対するハードルになり得ます。
私は固有名をあまり出さない書評が好きなので、自分で書く際にもできるだけ出したくないと思っています。あるいは固有名を出す場合でも補足をつけるとか。
「まだ読んでいない人」と「もう読んだ人」のどちらも楽しめる書評を書くのが一番ですが、どちらかのみをターゲットにしたほうが書きやすいと私は思います。たぶん。
文章構成とそれによって生み出される感情の動きを書く
「視点が切り替わることで、もどかしさを覚える」だとか、「改行がほとんどないので、眠くなってくる」とか「セリフのみで展開していくのでテンポがよく、爽快感がある」とか。
この方法を使うと字数は稼げますが、ありがちな文章になりやすいです。つまりあんまり面白くない。
変わったこと(=興味深いこと)を言うためには向かない方法なんじゃないかと思っています。
物語の目指すところを書く
私が書評を読んでいてわくわくするのはこういう文章です。
その物語はどういうことを明らかにする話なのか、どんなことを象徴するような小説なのか……など。
本の表面をなぞるような読書、額面どおり受け取るような読書では決して思いつけないようなことを書いた書評はとても面白いです。
「それを読むことで自分の頭が良くなったように錯覚させられる」書評や「世界の構造について独自の視点を教えてくれる」書評が(私にとって)よい書評です。
現代社会との共通点を書く
上に書いたことと重複するのですが、書評に「現代日本を映す鏡である」とか「世界が直面している状況に似ている」とか「これからの社会を暗示しているようだ」とか書いてあると、私はとても嬉しいです。
濫用するのも考えものですが、最後の「締め」の言葉としても使える方法です。
おわりに
少しでも参考になったでしょうか。
元は私が書評を書くためにちょっと調べてみようかな、という動機で書き始めた記事でした。
なんだかまとまりのない記事になったかもしれません。
とりあえずまた何か書きます。
記事に対する感想・要望等ありましたら、コメント欄かTwitterまで。