朝井リョウ『何者』読書感想文|何者かになったのび太

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あらすじ

 「就活」を控え、情報交換のため集まることにした大学生5人。
 就活中の大学生の自尊心をリアルに表現する。
 朝井リョウの第148回直木賞受賞作。
 <想像力が足りない人ほど、他人に想像力を求める

【読書感想文】原稿用紙3枚(1200字,60行)

KKc
きっと何者にもなれない私たちに告げられた物語

 私たちは誰でも「何者」かになりたい気持ちを抱えて生きているかもしれない。
 朝井リョウ『何者』において描かれているのは、その気持ちが特に強く表れている若者たちです。

 どこかの会社に入るための活動は「就活」と命名され、『何者』で示されたような大きなストレス・プレッシャーを大学生に与えていると悪名高きイベントとされています。

 学生は少しでも高名な企業に入りたいと情報を集め、他人から一歩でもリードするために、名を捨てて実を取るスタンスで、友人や恋人を後回しにして、その後の人生における名声を得るために努力します。

 私は、就職することは自ら「何者にもならない」ことを認めたときだと思っているので、「就活で成功を収める」=「何者かになる」ために「就職する」=「何者にもならない」選択を進んで行う大学生って、なんかちょっと違うなと思っていますけれど。

 『ドラえもん』の登場人物・のび太は、大学受験にも就職活動にも失敗し、自分で会社を作っています。結婚相手はジャイ子で、彼女との間に6人の子どもを授かりました。

 のび太の孫は、そんな未来に不満を抱えています(いったいどこが気に食わないのかは忘れてしまいました)。ドラえもんをのび太の元へ派遣し、未来を「よりよいもの」にしようと画策します。

 私はこれを読んで「なんだ。のび太って、なんだかんだけっこうやるじゃん」と思いました。たぶんのび太は素直に生きたから、『何者』のように自分を偽って良く見せようとか、見栄を張ろうとか、そういうことをちっとも考えなかったから、どこにも就職できなかったのだと思います。

 <このままでは何者にもなれない>
 <何者かになっていないと自分を支えられない>
 <何者かは自分で決める>
 <俺は何者なんだ…>

 私はジャイ子と結婚したのび太に好感を持っています。のび太はたぶん、何者かになったような気がします。就活で悩むのも人生経験だと思いますが、それよりはのび太的生き方をしたほうがいいんじゃないかとぼんやり思いました。普通に生きていたら、きっと私たちは何者にもなれないので。

(51行,原稿用紙2枚と11行)

おわりに

KKc
お読みいただきありがとうございました。

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