【800字書評】百田尚樹『大放言』|大放言と小放言

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大放言と小放言

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百田尚樹『大放言』の800字書評です。

 「放言」は、手元の広辞苑第五版によると「思うままに言いちらすこと。また、無責任な発言。ほうごん」とある。

 そんなわけで『大放言』は著者の気持ちがよく伝わってくる、よいタイトルだと思います。
 「炎上覚悟。」と帯に印刷されているように(なぜ「。」があるんだろう?)、著者が話題にしたいことに対して著者の思うままに、赤裸々に書いた文章がほとんどです。

 このような新書を発売することにより、著者が得る利益はなんだろうと考える。
 一般的に、自分が思ったことをそっくりそのまま発言してしまう人は、あまりよい人間関係を築くことができません。
 コミュニケーションの場において会話は、「他人がどう思うか」とか「この場にふさわしい話題か」などといったことを加味された上でなされるのが普通です。
 私は各々が好き勝手に話しているような関係はよい関係だと思いません。

 そういうわけで、著者は、誰かと関係を築く気がないのではと思いました。
 そして本書が書籍という形をとっている以上、著者が関係を結ぶ気がないのは、十中八九読者との間です。残念ながら。

 「オレはこんな考えだ。賛同するヤツだけついてこい。反対するやつは男じゃねぇ」というような意図を私は感じました。
 「炎上覚悟。」と書いてあるのも、「炎上が怖くて物書きがやってられるか」という姿勢のあらわれでしょう。裏を返せば、炎上するようなことを書こうと思い立つくらい、目立ちたいということでしょう。

 別にそれの良否を問おうと思っていませんが、そのような「小説家」の書いた小説は、読みたいと思う人がだんだん減っていくのでは、と心配します。
 以上、小放言でした。

(702字)

作品情報

著者:百田尚樹

おわりに/h2>

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