池井戸潤『オレたち花のバブル組』感想

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※引用はすべて文春文庫による

池井戸潤『オレたち花のバブル組』あらすじ

「バブル入行組」世代の苦悩と闘いを鮮やかに描く。
巨額損失を出した一族経営の老舗ホテルの再建を押し付けられた、
東京中央銀行の半沢直樹。
会社内の見えざる敵の暗躍、
金融庁の「最強のボスキャラ」との対決、
出向先での執拗ないじめ。
四面楚歌の状況で、
絶対に負けられない男達の一発逆転はあるのか?
(裏表紙)

 

 

KKc
『オレたち花のバブル組』は半沢直樹シリーズ二作目。

 今回は、傾いたホテルの財政建て直しがテーマ。

 

 伊勢島ホテルは投資失敗による多大な損失を出した。

 

 このままでは金融庁によって問題ありとされ「分類債権」の烙印を押されてしまう。

 

 そんな会社に融資を許可したとあっては東京中央銀行の面目が丸つぶれだ。

 

 東京中央銀行に勤める半沢直樹は、伊勢島ホテルの経営改善を任されるが、難航。
 運命の「金融庁調査」の日程が迫るが――。

 

KKc
※以下、ネタバレはありません。

 

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池井戸潤『オレたち花のバブル組』感想

 

 本作は「銀行マンもの」で、専門用語がバンバン出てくる。

 読んでいて「?」となることもしばしばあった。

 しかし心配は無用だった。

 必ず直後に丁寧な説明があったからだ。

 たとえば「引当金」って何だ?と思ったとき

倒産したときのための準備金
(23頁)

 という記述があったり

「正常債権」「分類債権」って何だ?と思ったとき

 (金融庁は)全ての融資先を
 「安全な先」「ちょっとアブナイ先」
 「かなりアブナイ先」「もうイッちゃってる先」の四つに分けるのだ。
 (23頁)

 ちなみに

 「安全な先」のことを業界用語で「正常債権」、
 「アブナイ先」のことを「分類債権」と呼ぶ。
 (23頁)

 のような記述があったりする。

KKc
親切設計。

 このおかげで難しいはずの銀行の仕事がすっと理解され、ストーリーを楽しむ妨げにならずに済んだ。

 読者は半沢直樹が立ちはだかる「敵」を退けていく痛快な過程を純粋に楽しむことができる。

 

池井戸潤『オレたち花のバブル組』名言

 オレにいま必要なのは、勇気と希望。
 それ以外に何がある?
 (59頁)

 

 「シカネーダーに催促されたときモーツァルトがそんなくだらない言い訳をしますか?」
 (80頁)

 

 基本は性善説。
 しかし、やられたら、倍返し――。
 それが半沢直樹の流儀だ。
 (137頁)

 

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