目次
有川浩について
有川浩は1972年生まれの日本の小説家。
自衛隊やSF、恋愛やコメディなど、幅広い作風を持つ作家です。
映像化も『図書館戦争』『阪急電車』『フリーター、家を買う。』『空飛ぶ広報室』など、数多くされています。
今回は私が選んだ10冊をランキング形式でご紹介します。
有川浩の小説を読んだことのない初心者も熱心なファンも、参考にしていただけると幸いです。
有川浩の真骨頂は恋愛小説にあり、と思っているので偏りがありますが、ご海容ください。
有川浩おすすめ小説ランキング
第10位『クジラの彼』
「クジラ」とは潜水艦のこと。彼氏は自衛官で潜水艦乗り。
「浮上したら漁火がきれいだったので送ります」が2ヶ月ぶりのメールだったり。遠距離恋愛小説。
「制服組」だってフツーの人間です。ベタで甘くて共感できるラブコメ。軽い読み味です。
『海の底』と『空の中』のスピンオフ短編も収録の、有川浩のおすすめ短編小説集。
第9位『シアター!』
劇団「シアターフラッグ」は負債300万円を抱えている。根本的な赤字体質を変えなければならない、と団員たちは意識改革にとりくむ。
「鉄血宰相」の兄と、だらしないが憎めない弟による劇団経営。
劇団員も個性豊か、リアルで共感できるキャラクターばかりだ。
声優・沢城みゆきと彼女の所属する劇団をモデルにした青春群像劇小説です。
第8位『レインツリーの国』
ある本をきっかけにインターネット上で出会った二人。二人は意気投合し、リアルでも会うことに。
女性は「ある秘密」を隠したまま会うことにするのだが……?
ちなみに「忘れられない本」のモデルは笹本祐一『妖精作戦』。さらに言うと『レインツリーの国』というのは有川浩の『図書館戦争』シリーズで登場した本です。
それらを読んでいるとさらに楽しめますし、また読んでいなくとも『レインツリーの国』の文中に漂う「青春菌」をたっぷり感じることはとても心地よいと思います。
【関連リンク】「有川浩『レインツリーの国』―花言葉と恋愛小説」
第7位『三匹のおっさん』
<『三匹の悪ガキ』のなれの果ての『三匹のおっさん』どもでも、私設ボランティアでもやってみねぇか>
還暦ぐらいで彼らは黙っちゃいない。かつての「悪ガキ」が町内の自警団を結成。悪を斬る!
年を重ねたからこその戦略、武道の心得。60歳になっても私たちはまだまだやれる。
魅力的な「おっさん」による勧善懲悪。読み味が痛快な有川浩のエンタメ小説です。
第6位『県庁おもてなし課』
県庁に新しい部署が生まれた。その名も「おもてなし課」。地域振興がその主な業務だ。
若手職員は「お役所感覚」と「ふつうの感覚」の板ばさみになり苦悩、奮闘、成長していく。
果たして「観光立県」は可能なのか? 地方活性化のために何をクリアしなければいけないのか?
ちなみに高知県がモデルだとか。高知県に行ってみたくなる小説です。そういう作用を感じられるので「小説による地域振興」は可能だと信じてみたくなります。
第5位『空飛ぶ広報室』
パイロットになるという夢の直前に、不慮の事故によってそれを諦めざるを得なくなった青年は、広報室に配属される。
自衛隊の広報官という仕事を丁寧に描写した小説です。
(自衛隊のことはあまりよく知らないな)と思う人にこそ読んでもらいたい本。
日常を支えているのは、非日常的な覚悟を持って生きている、彼らのような人々です。
第4位『植物図鑑』
<お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。噛みません。躾のできたよい子です。>
ふとしたきっかけで出会った二人は同棲を始める。
拾った青年は家事万能かつイケメン、優しい、そして植物に詳しかった。散歩デートで採った野草をおいしく料理してくれたりします。
植物の知識がなくても楽しめるおすすめ恋愛小説です。2016年6月に映画公開予定。
第3位『塩の街』
世界は塩で覆われていた。人々は次々に塩になり、死んでゆく。
崩壊寸前の東京で、少女は男と暮らしていた。男は世界を救うことになる人物だとは知らずに。
有川浩のデビュー作かつ第10回電撃ゲーム小説大賞受賞作。
角川文庫版ではアフターストーリーも収録されており、とても読みごたえのある本になっています。
第2位『阪急電車』
阪急電車は、関西を走る私鉄である。『阪急電車』はそこを舞台にした短編小説集です。
前の話と次の話がどこかで繋がっていて、その繋がり方も面白いところのうちの一つです。
電車は、乗り合わせた人すべてがそれぞれに事情を抱え、それぞれの目的地に向けて生きている。
読んだ後、電車で見かける人の人生を想像してみたくなる一冊です。
第1位『図書館戦争』
公序良俗を乱す本を取り締まる法律ができてから30年。日本では「図書館隊」が本を守るために戦っていた。
主人公は新米隊員の女性。入隊のきっかけは昔、図書館隊の「王子様」に助けられたことがあるから。
実はその「王子様」は上官なのですが、それを隠して接する姿ににやにやしてしまいます。
笑いも涙も感動も友情も熱血も詰め込まれた、満足感のある恋愛小説です。
【関連リンク】「有川浩『図書館戦争』名言と感想」
おわりに
今回ランキングに掲載できなかった有川浩作品にも良い小説はあります。
『図書館戦争』『三匹のおっさん』『シアター!』などは続編もあるので、有川浩作品を気に入った方はぜひ探してみてください。
「おすすめ小説リスト」はこちらから。
記事に対する感想・要望等ありましたら、コメント欄かTwitterまで。