インスタのキラキラとはちがう|小川糸『キラキラ共和国』感想

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あらすじ

 小川糸『ツバキ文房具店』の続編。

 主人公は店主で手紙の代筆屋。

 結婚式の招待状や夫婦ゲンカのごめんね状やファン・レターなど、さまざまな文章を代わりに書いていく。

 あたたかくてほっこりできるキラキラした共和国のおはなし。

感想

 「キラキラしている」というと、ぱっと思い浮かぶのが「インスタグラム(略称:インスタ)」です。

 インスタグラムはSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービスの略。直訳すると社会的連絡網おもてなし)のひとつで、英語表記だと”Instagram”。画像をみんなで見せあって(いいね!)と心の中で思うことのできるサービスです。

 インスタグラムの有名人は、とにかくキラキラしている。

 南国へ行き、カラフルなスイーツを注文し、フォトジェニックな観光名所を訪ね、画面を埋め尽くすほど文章に#(ハッシュタグ)を積載し、まさに湖を泳ぐ白鳥のごとく画面上では優雅な姿だけを晒し、画面下、その舞台裏では、我々が想像がつくような、あるいは想像がつかないような努力というか厳しいマネジメント活動を行い、日々(いいね!)を獲得すべく精進を重ねている。

 私の中では「キラキラしている」はそのようなイメージなので、小川糸の『キラキラ共和国』というタイトルを拝見したとき、インスタグラムのような、そんなような状況が小説世界で展開されているような、皮肉めいた描写で現実世界を切り取っているような作品なのでは、邪推してしまった(実態はぜんぜん違いました)。

 『キラキラ共和国』には前作にあたる『ツバキ文房具店』という小説があり、そこからの続きということで、たいへんハートウォーミングな作品に仕上がっています。

 共和国、と言う統治形態は日本人にはあまりなじみのないものであると思います。

 Googleしてみたところによると、なんとなく、緩やかなつながりを意識した統治形態ではないか、と私はイメージしました。

 たぶん、登場人物それぞれがそれぞれのキラキラ(インスタグラム的ではない)した世界を持っていて、これらが相互にゆるやかに結びついているような、小川糸『キラキラ共和国』はそんなビジョンで描かれた小説なのではないかと、漠然と思いました。

おわりに

KKc
お読みいただきありがとうございました。

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