漁父之利|問題と解説、書き下しと訳も

KKc
番号はそれぞれ対応しています。
スポンサーリンク

あらすじ

 鳥が貝を食べようとしてくちばしを入れたが、はさまれてしまった。
 お互いにゆずらず、動けないでいたところに漁師が現れる。
 鳥も貝も漁師に捕らえられてしまった。
(戦国策・燕策)

書き下し文

①今者臣の来たるとき、易水を過ぐ。
(いましんのきたるとき、えきすいをすぐ。)

②蚌方に出でて曝す。
(ぼうまさにいでてさらす。)

③而して鷸其の肉を啄む。
(しかしていつそのにくをついばむ。)

④蚌合して其の喙を箝む。
(ぼうごうしてそのくちばしをはさむ。)

⑤鷸曰く、「今日雨ふらず、明日雨ふらずんば、即ち死蚌有らん」と。
(いついわく、「こんにちあめふらず、あすあめふらずんばすなわちしぼうあらん」と。)

⑥蚌も亦鷸に謂ひて曰はく、「今日出でず、明日出でずんば、即ち死鷸有らん」と。
(ぼうもまたいつにいいていわく、「こんにちいでず、あすいでずんば、すなわちしいつあらん」と。)

⑦両者相舎つるを肯んぜず。
(りょうしゃあいすつるをがえんぜず。)

⑧漁者得て之を并せ擒ふ。
(ぎょしゃえてこれをあわせとらう。)

現代語訳

①今わたくしが(こちらに)来るとき、易水(という川)を通ってきました。
②どぶがいが泥の中から出てひなたぼっこをしていました。
③しぎ(鳥の名前)がどぶがいの肉をついばもうとしました。
④どぶがいは貝殻を閉じてしぎのくちばしをはさみました。

⑤しぎは言いました、「今日雨が降らず、明日も雨がふらなければ、(お前はひからびて)死ぬだろう」と。
⑥どぶがいもまたしぎに言いました、「今日(くちばしを抜け)出せなく、明日も(抜け)出せなければ、(お前も)死ぬだろう」と。

⑦両者は互いに放そうとはしませんでした。
⑧漁師が現れ(どぶがいもしぎも)合わせて捕まってしまいました。

問題・解説

Q.最初、どぶがいは何をしていたか?
A.ひなたぼっこ。

Q.しぎはどうして貝殻にくちばしをはさんでしまったのか?
A.どぶがいの肉をたべようとしたから。

Q.しぎは、どうなるとどぶがいが死ぬと言っているか?
A.今日も明日も雨が降らなかった場合。

Q.どぶがいは、どうなるとしぎが死ぬと言っているか?
A.今日も明日もくちばしを貝殻から抜くことができなかった場合。

Q.⑤⑥にある「不」はどう訳するか?
A.「~ない」(否定)と訳す。

Q.どぶがいとしぎは、どちらが力をゆるめたか? あるいは、どちらもゆるめなかったか?
A.どちらもゆるめなかった。

Q.漁師がどぶがいとしぎの両方を捕ることができたのはなぜか?
A.どぶがいとしぎが互いにゆずらず、固まっていたから。

Q.「蚌」「鷸」「漁者」はそれぞれ何のたとえとなっているか?
A.「蚌」は燕の国、「鷸」は趙の国、「漁者」は秦の国のたとえとなっている。趙と燕の争いが長引くと、秦が利益を得る……というたとえになっている。

意味・教訓

 現代では主に「二人(二つ)が争っているとき、チャンスをうかがって、第三者が楽に、その利益を横取りすること」という使い方がされる。

感想

 漁師はきっと、貝と鳥のやりとりをずっと見ていたはず。でなければ、硬直状態になった次の瞬間に都合よく現れて、獲物をゲットできるはずがないから。

 実力が同じもの同士のあらそい、決着がすぐにはつかないような勝負をする前に、その勝負をすることで誰か他に得をする者がいるのでは、と考えてみることがいいかも。
 そうすれば、無用な争いを避けられるうえに、自分が最終的に損をする可能性も減る。

 『スラムダンク』でたとえると、山王に湘北が勝ったあと、次の試合で湘北に勝った高校が「漁師」ですね。

おわりに/h2>

KKc
お読みいただきありがとうございました。

記事に対する感想・要望等ありましたら、コメント欄かTwitterまで。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク