『ぼくたちのリアル』読書感想文|スーパースターと二つの月

あらすじ

 リアルは学年一の人気者。スポーツも勉強もなんでもできる。ナンバーワンでオンリーワン。
 アスカはリアルの幼なじみ。そしてサジは美少年転校生。
 3人の少年の爽やかな友情物語が、五年一組の教室で始まる。
 支えるには、違うことが必要だ。

 

 空いた時間にかしこくお小遣い稼ぎ!

 

【読書感想文】原稿用紙3枚(1200字,60行)

KKc
スーパースターと二つの月

 「璃在」と書いて「リアル」と読むなんて、ちょっと変わっています。
 『デスノート』の主人公も「月」と書いて「ライト」と読むので、フィクションの登場人物ってこういうことがあるよねと思いました。

 

 私たちがふだん生きている日本では、どちらかといえば珍しい名前なので、なじみづらく、彼らの物語を読んで、きちんと感情移入できるか不安でした。でも、五年一組で起きている出来事は、私たちにとって全然なじみのないことではなくて、むしろ近いものだと感じました。

 

 タイトルにもあるように「リアル」は、ぼくたちつまり私たちのものです(この場合の「リアル」は「璃在くん」のことではなくて、「現実」とか「日常」とか言うときの「リアル」です)。

 

 どういうことかというと、日常は、私たちのものなのだから、大切に、大事に、ていねいに過ごしていかなければならないのだよ、ということを私はこの本の題名から読み取りました。

 

 ふだんの生活は、振り返ってみると意外と大変です。

 

 早起きすること。ねむくてしょうがないのに朝ごはんを食べること。外に出るのがめんどうなのに、ラジオ体操に行くこと。朝のゴミ出しをまかせられること。部屋の掃除をすること。夏休みの宿題をすること。おつかいに玉ねぎを買いに行くこと。毎日そうめんが続いてもいやな顔をしないこと。などなど。

 

 いつもは意識していないだけで、私たちは毎日けっこう大変なことをしているのでは、と思いました。

 

 けっこう大変な日々を過ごしていく上で支えになるのは、身近な人です。『ぼくたちのリアル』では、リアルとアスカとサジという「親友」がその役割を果たしました。

 

 私が最近見た映画『SING』でも、主人公のバスター・ムーンをいちばん支えてくれたのは、親友のエディでした。ムーンが車洗いの仕事を始めるとき、ひとりではどうしていいかわからなく困っていると、さっそうと登場し「洗えよ。僕が乾かすから」と声をかけてくれたのは羊のエディです(羊の毛は水滴を吸い取るのに優れています)。

 

 人間はみんな違っていて、違うからこそ、ちょうどパズルのピースのように、互いに補い、助け合うことができるのだと思いました。

 

 スーパースターのように見えたリアルにつらい過去があったように、完璧な人なんて、たぶんいないのですから。

(948字,2枚と13行)

 

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おわりに

KKc
お読みいただきありがとうございました。

 

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