森博嗣『臨機応答・変問自在』―私が好きな10個の質問(と答え)

※引用はすべて森博嗣『臨機応答・変問自在』集英社新書による

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はじめに

KKc
こんにちは! KKcです。

 森博嗣『臨機応答・変問自在』は、著者に対する質問とそれに対する回答集です。
 質問は国立大学准教授である著者が、講義で学生に提出させたものです。
 森博嗣の回答がウィットに富んでいて、私の好きな本のひとつです。たとえば

Q.体にスプーンなどの鉄がくっつく人がいますが何故ですか?

嘘つきだから。
(70頁)

 などです。
 本記事では私が好きな質問・回答を10個選んでみました。
 興味がわいたらぜひ手にとって見てください。

質問1

Q.名古屋の街は他の都市に比べ魅力がないとよく言われますが、何故なんでしょう?

そんなことを言っている人に限って本人にも魅力がなかったりします。魅力のある都市って何ですか? そもそも、都市に魅力なんてありますか?
(32頁)

 私は名古屋、好きですけどね。名古屋コーチンとか味噌カツとか、おいしいものいっぱいありますし……ってこれ「街の魅力」じゃないか。

質問2

Q.ワープロばかり使っていて漢字を忘れると悲しくないですか? 手紙を書くときはどうするのですか?

何かを忘れられるのは、その分、頭を他のことに使えるわけだから嬉しい。人間は歩けるようになると、はいはいを忘れる。はいはいを忘れて悲しいですか? 手紙はワープロで書く。稀に手で書くときは、必ずワープロで下書きして、それを見ながら書く。
(38頁)

 私もなにか文章を書くときは、必ずパソコンを使って書くことにしています。
 それはたぶん、この本を読んだからです。
 「ワープロ」に時代を感じますね。

質問3

Q.天気予報は何故当たらないのですか?

当たらなかったら、誰も見ないでしょうから、あれで当たっている方なのでは。
(67頁)

 私は天気予報を見ません。空を見ればある程度の予測はつくからです。
 誰でも普段からそんなふうにしていれば天気予報を見る必要はないのでは、と思うのですが、声には出しません(書くけど)。

質問4

Q.僕のある友人が最近繰り返しの毎日に気づき、そんな生活に不安と不満を持ち始め、自分の存在価値と目標を見失いがちなのですが、先生はその友人を知らないので無茶な質問なのはわかりますが、どうすれば良いと思いますか? また、何か良い気分転換などはありませんか? 先生もそういう時期がありましたか? こういうことをきくのは馬鹿馬鹿しいですか?

後ろから答えましょう。馬鹿馬鹿しくはない、誰にもそういう経験はあると思う。森の経験則では、次のことが言えます。「何かに悩んでいる人は、解決策を知らないのではなく、最良の解決策を面倒でしたくないだけだ。」その友人には、まず、自分の部屋を片付けることをすすめましょう。
(111頁)

 (あ、講義が終わってしまう! 何か書かなきゃでも何を……ええい、何でもいいから書いてしまえ! ……これって馬鹿馬鹿しいことかなぁ)という心情でしたためた質問ペーパーだと私は予想します。
 そんな質問に答えるなんて、森博嗣は優しいなと思います。

質問5

Q.読んでおくと将来自分のためになるような本を教えて下さい。別にジャンルは何でもいいです。

それは君が選ばないと意味がありません。
(115頁)

 もし「自分のためになる本」というものが存在するとしたらそれは、その書物の内容が「自分のためになる」のではなく、その本を「選んだこと」が「自分のためになる」のだと私は思います。
 大事なのは「何を読むか」ではなく「どうやって選ぶか」です。
 なんだかぶっくらぼの自己否定っぽいですね。

質問6

Q.先生は授業中に「どこを調べればその答えが書いてあるかさえ知っていれば良い」というようなことを話していましたが、それはつまり、先生のテストは、持ち込み可ということですか?

当たり前の質問をしないように。人生には、テキストもノートも助っ人も、何でも持ち込めます。
(133頁)

 では「持ち込み不可」のテストは何のために行われるでしょうか?

質問7

Q.先生は子供の頃からコンクリートに興味があったのですか?

そんな子供がいたら凄い。何に興味があるかは問題ではない。興味を持つ人は何にでも興味を持つ。研究は、対象ではなく、その過程が面白いと思う。遊びだってそうでは? 子供は遊びに興味があるわけではなくて、友だちと騒ぎたい、してはいけないことをいろいろしたい、対象がしっかりイメージできるものは逆にすぐ厭きる。何かに興味があるなんて幻想だと思います。
(209頁)

 過程が面白いものがほんとうに面白いものだと思う。
 たとえば私は『竹取物語』が面白いと思っているのですが、あれはたとえクライマックスでかぐや姫が地球から去るとわかっていても、その面白さはほとんど損なわれることはないと思います。
 だから、最後がわかったら面白くなってしまうような、たとえば「一回読んだらもういいや」となるような読書は、あまりしたくないです(あまりね)。

【関連リンク】「『竹取物語』をやさしく現代語訳・口語訳

質問8

Q.読書の秋ですが、先生が読んで面白かった本は何ですか?

「読書の秋ですが」という導入部はなかなか笑えます。面白い本は、人に教えないことにしています。人からすすめられるだけで、面白さの何割かが失われるから。
(222頁)

 森博嗣が「笑える」と言っているのは、句読点の前後で論理がつながっていないからでしょう。
 ちなみに「面白い本は、人に教えないことにしています」と言いつつも、『100人の森博嗣』で紹介しているのはお金になるからでしょう。
 出し惜しみが肝心。

質問9

Q.先生が今までにやった最高の贅沢はどんなことですか?

今の奥さんと結婚したことかな。
(225頁)

 この質問が『臨機応答・変問自在』でいちばん好きです。
 見るたびに声を出して笑っています。

質問10

Q.先生は何故、時間に厳しいのですか?

その方が得だと気づいたから。
(232頁)

 とても経済的な思考だと思います。
 何かと何かを天秤にかけて、皿が下がった方を選択する。
 森博嗣はすごいなぁ。

おわりに

KKc
最後までお読みいただきありがとうございました。

 楽しんでいただけましたでしょうか。
 できれば『臨機応答・変問自在2』についても同じような記事を書きたいと思っています。
 では、よい読書を。

【追記】書きました→「森博嗣『臨機応答・変問自在2』―私が好きな10個の質問(と答え)

記事に対する感想・要望等ありましたら、コメント欄かTwitterまで。

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