『どうでもいいことで悩まない技術』800字書評

買うかどうかは「どうでもいいこと」

KKc
柿木隆介『どうでもいいことで悩まない技術』の800字書評です。

 

 本書は日本を代表する脳科学者が書いた「悩まない脳のつくり方」です。
 「ストレス耐性」を身につける31のトレーニングを収録しています。

 

 トレーニングの目標は「パッ」と意識を切り替えるスイッチをつくること。そのようなスイッチを自分(の脳)の中に持つことができれば、悩むことが劇的に減るでしょう。

 

 ストレスには「いいストレス」と「悪いストレス」があります。ストレスをゼロにすることはできません。いかに「悪いストレス」を減らし「いいストレス」を増やしていくか。
 そして「脳の仕組み」を理解し、ストレスへの上手な対処法を考えていきます。
 以下、本文からのダイジェストです。

 

 「イライラしたときには深呼吸」と言われるけど、それはなぜよいのか?
 「トップになる人」に共通するメンタリティーとは?
 スポーツ選手が実践する「トラウマを克服する方法」とは?
 争いが起こったときの最善の解決策は「謝ること」である。

 

 「モノを捨てるとストレスが減る」の根拠は?「断捨離」が脳に与えるよい影響について。
 「ミラーニューロン」の働き。優秀な人の元で働いた人は、優秀になる……それはなぜ?
 誰かを失望させないためには(失望してしまう理由は)?

 

 大阪の人は「オレオレ詐欺」にひっかかりにくいらしい……その理由を脳科学の視点から解明します。
 将棋の中継を見たことがありますか? 「名人」と呼ばれるような人は利き手に扇子を持っています。半分ダジャレで半分はちゃんとした理由です。

 

 以上、面白いところをピックアップしてみました。そういえば発売後即重版がかかったそうです。これは著者や出版社にとって「いいストレス」ですね。
 というわけで、本書を読んで「どうでもいいこと」「イヤなこと」を整理する方法を脳科学者に学びましょう。

 

 たぶん「この本を買うか買わないか」は「どうでもいいこと」です。

(792字)

 

作品情報

著者:柿木隆介(生理学研究所教授・神経内科医)

 

おわりに/h2>

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